「泥臭いところから手をつける」

この言葉は、
僕の尊敬するドイツ人社長の行動から読み取ったことです。

彼は、長らく現地組織をリードしていたボスで、
彼が右へ向けというと全社が右を向く強いリーダーシップを
発揮していた人。

まさに、赴任一年目で私のことを厳しく見ていた人でした。

買収した後、改革するタイミング、人を切るとき、
全て彼は経営者として泥臭いことから手をつけていました。

人としては優しい部分を持っていて、
経営者の役割に徹していたのでしょう。

任期の最後の方は満身創痍で、健康状態も良くなく入院を
繰り返していましたが、買収統合の際も、
解雇の決断とその処理をしてからバタンと倒れました。
しかも、誰にも弱音を吐かずに。

彼は、60歳できっぱり会社を辞めて、
今では細々と大きな庭で牛を飼って、
それを殺して1年かけて食べるような素朴な生活していると聞いています。

組織変革は、ほぼほぼ初動が肝心です。
頭ではわかっている人が多いと思いますが、
なぜそれができない会社・経営者が多いのでしょうか?

自分を守っているようでは、
潜在意識の中で「どうやったら泥臭い手を使わずに済むか?」という
質問を無意識に行ってしまい、行動に移せません。

「何のため、誰のために変革をやっているのか?」というミッションが
腑に落ちていなければ、決断や行動に移せません。

常に、「私は何のためにこの仕事をしているのか?」という自問を通して、
強い内発動機で前に出る行動を起こしましょう。

買収PMIや組織変革プロジェクトでとる姿勢としては、
最初の初動はリストラ、解雇、組織変更、条件ダウンなどハードに取り組み、
その後、落ち着き次第、ソフトな(徳のある)経営をしましょう。

歴史を見ても、優れた名君は、初めは武力で天下を取って国を治め、
その後に武力を捨てています。

例えば、後漢の光武帝は天下を取った後に、武力を捨て徳によって国を
治めていますし、唐の太宗も隋の煬帝と戦って天下を取りました。

そのあとは徳の政治で300年、国を平和に治めました。
徳川家康も同じく、関ヶ原の戦い以後、徳の政治で300年の平和をもたらしています。

武力で政権を取った後も武力に最後まで頼った国は長続きしません。
価値観を同じくしないグローバルな会社組織のマネジメントも全く同じ、
同じどころか価値観のバラバラなグローバル組織こそ、
普遍的な価値観を元に決断ができるリーダーシップが重要になります。

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