先日、大坂なおみ選手が全米オープンで優勝する快挙がありましたね。テニスは門外漢ですが、あんなに女王セリーナ・ウィリアムス選手を応援する超アウェイの中で20歳の新星が堂々と勝てること、本当に素晴らしいと思います。どれだけメンタルの準備ができていたのかと感心します。
帰国会見でテニスに関わる質問から、全くテニスも関係ない「食べ物で何が好きですか?」というようなものまでいろいろ質問が飛んでいましたが、その中で、米国人と日本人のハーフの大坂選手のアイデンティティーについて聞く質問がありました。その際に、少し戸惑いながら「私はアイデンティティーについてあまり考えていない。私は私です。私の育てられたようになっていて、わからないけど、人は日本人のように振る舞うと言います。でも、テニスは日本人のようなものではないです。」と答えていました。すごく自分のことを無理なく自然に捉えた回答だな、と思って観ました。
大坂なおみ選手のようなハーフの方のアイデンティティに加えて、海外赴任者を主にクライアントとするお仕事がら、海外駐在の要員に選ばれやすい帰国子女の方のアイデンティティーについてのお悩みに触れることがあります。帰国子女の方は、赴任地で育った自分と日本人であることの狭間で、どうも「自分は何者か?何人か?」と大なり小なりお悩みの方が多いようです。これをアイデンティティークライシスと言うようです。海外生活では海外の自由闊達な環境で比較的自分らしさを出して、かつ日本人であることが周囲との違いになって自分が日本人であるというアイデンティティ感を持っているものの、いざ日本に帰ると周囲の目を気にして自分らしさそのままは出せず、また海外現地の文化に慣れた自分の考え方や振る舞いが日本にいる人たちのように日本人ではないという点で息苦しさを感じて、日本人だと思っていたアイデンティティに確信が持てなくなります。
私自身はコテコテの日本人の親の間に生まれ、日本の教育を受けた日本人ですが、彼らの葛藤をしっかり正面から伺うと、やはり自分のアイデンティティが自分では一番わからない、たとえ親でも適切なことを言いにくい、ご当人ではないとなかなかわからない非常にセンシティブなことと理解しています。そもそも何人というのは国籍における属性のお話以外、「日本人といえばこんな人」という共通のぴしっとした定義もない概念的なもので、自分のアイデンティティを理解する際に考えない方が良いと思います。それよりも、自分は「○○な人間です」とはっきり自分の大事にしている価値観を知って、アイデンティティーを定義できることがブレずに人生を歩んでいける肝になると思います。そして、アイデンティティの発掘には、やはり第三者を入れることをおすすめします。
私のコーチングプログラムではそのような帰国子女の方に、日本人でも現地人でもなく、その人そのものが大事にしている価値観やアイデンティティを一緒になって見つけ出し、言語化し、一生ものの気づきを得て、人生をフルスイングして頂きます。以前、それらを見つけた時のクライアントさんの視界がぱーっと晴れて興奮状態の顔が忘れられません。もし、同じくアイデンティティクライシスでお悩みの方がいらっしゃれば、お気軽にj.tamamoto@lifeshiftjapan.comまでご連絡ください。
LIFE SHIFT JAPAN株式会社
玉本潤一
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