あなたにとって、成功って何でしょうか?

どんなことを連想しますか?

「成功するのはいいけど、苦しいよなー」と、気が重くなったりしていませんか?

こんな質問する私は、「苦しいことをし続けた先にしか成功はない」「忍耐強い人が成功する」と成功に対して非常に重苦しく考えていました。

成功する人といえば、自分に厳しくて、時に人間関係を気にせず、笑わない、忙しそうな経営者をイメージしていました。

経営会議の資料を作っている残業中、一人味気ないコンビニ弁当を食べながら、自分もそんな経営者像に近くなっていることにふと気づきました。「これは幸せか?」と自問し、ショックを受けました。

「いつまでこれをやるんだろうか?」、と。

27歳で社内では花形といわれていたドイツ赴任で海外にいても同じでした。

あるドイツの雪の降る真冬の24時に仕事を終えて真っ暗な道を帰宅する疲れ切った自分。

対照的に、17時には帰宅して家族との夕食の時間を楽しむドイツ人。

自分とドイツ人社員の生活スタイルのギャップに大きな疑問を持ち、赴任当初は「もっと仕事をしろよ!」と苛立ちを隠しきれませんでした。

そんな私も、ヨーロッパの人々が自分を追い込まず、完璧を求め過ぎず、人生を楽しもうとする姿に触れて、年月をかけて価値観の大転換が起こったのです。

いよいよ感情の安定を手に入れた私は、彼らとの協働を心底楽しみ、現地メンバーからの全幅の信頼を得、日本人は私一人で乗り込んだベルギー子会社では、3年連続最高売上を記録しました。

今となっては、

「苦しいことをし続けた先に成功がある」はウソ、

「日々良い感情状態であり続けた先にある目標達成こそが、成功である」、

と心から信じています。

感情状態を最優先する姿勢『ステートファースト』であり続けると、幸せな状態が勝手に人・仕事(地位)・お金を集めてくれるからです。

常に日本一を狙う学生最高峰の目標達成アメフトチームでの経験と、人生を楽しむヨーロッパ文化の中に長らく身を置くという「目標成果達成へ強くこだわる生活」と「日々の幸せ感情を大事にする生活」の両方を経験したからこそ気づいたことです。

それらの経験の元、コニカミノルタ社では、就業最終年度には、同社の全社売上1兆円のうち30%の約3千億円という大きな売上責任を管轄するまでになりました。

感情が安定していて、良い感情状態や振る舞いがあったからこそ、巨額の売上を担当させてもらい、キャリアの成功を手に入れることができたと考えています。

私にはこれといったすごい特技はありませんでした。

ただ、同僚は私と働きたい、いるだけで場が治る、といってくれました。

海外でもそうでした。忘れもしません。ドイツ赴任一年目に、私は大間違いをして、本社から来た人間だとどこか上から目線で現地マネージメントと関わりました。

すると、その後一年間経営会議では総スカンをくらいました。海外で総スカンをくらうというのは、精神的に大変なのです。私のあり方や、ドイツメンバーとの関わり方を自分で見直し、一年後のクリスマスのパーティの日には、現地の社長に

Tama、君はイメージの日本人と違う。オープンマインドだ。マネジメントも従業員もみんな君のことを好きだ、みんなを支援してくれ」

と言われ、あまりの過激にトイレで号泣したことを思い出します。

もちろん、ビジネス理解や組織運営に真剣に取り組みました。

私だけで作ったものではありませんが、私のいる場には、安心感と一体感がありました。

あとあと気づきましたが、私は感情状態が良かった。

気がついたら、仕事をもらい、人が周りにいた。これに尽きます。

「成功すれば、良い感情が得られる」、これこそが思い込みです。

1年に1度の目標達成の瞬間に最高の喜びを迎えるために、その他の364日間を、ムッと不機嫌で、疲労困憊した姿で、ピリピリ・イライラした状態で、家族にも悪影響を及ぼすような精神状態でいることに何の意味があるのでしょうか?

逆に、もし、その364日間、全く同じ行動量でも、最良の感情状態で取り組めたら、人生が劇的に変わりそうな気がしませんか?

不安・恐怖・焦りといった苦しい状態にある人は、まずは感情状態を一旦、良い感情状態に復帰することにフォーカスしましょう。

状態が悪いまま目標に向かう行動を取っても、あなたの持っている可能性を最大限引き出した成果は得られません。

「じゃあ、楽しい方を選んで、目標達成しなくてもかまわないという考えなのですか?」という質問が聞こえてきます。

まさにその質問の背景に、多くの日本人の深い潜在意識に入っている「苦しい状態を我慢した先に成功がある」という強い信念があります。

試しに一度、楽しい方を選んでみてください。

楽しい方を選んだ自分に罪悪感がもたげてくる方はいませんか?

以前の私が、まさにそうでした。そんな苦しみから逃れて、どんなことであれ目の前の出来事を嬉しい、楽しい、幸せだと実感しながら目標に向かって何が悪いのでしょうか?

幸せの状態でいることこそ、あなたの可能性を最大限に引き出し、周囲に影響を与え、想像を超えた目標達成をもたらします。

感情状態が人生で一番の優先事項です。

これから、その『ステートファースト』であるための方法をお伝えしていきます。

私は、現実主義者。

でも説明がつかないことを体感した。

「幸せの状態を作る」というスキルがあるということ。

そして、それは誰でもできる。