社長がADHD(多動症・注意欠如・衝動性)のケースは、統計は取れていませんが、世の中にそれなりにあるのではないでしょうか。

クライアント事例があり、この経験が該当なさる方々のお役に立てればと思い本文を書いてます(クライアント社長が自認されています。私が決めつけているのではありません)。

 

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ADHDの人は、具体的には以下のようなものが挙げられます。

不注意:注意を維持したり、注意を集中したりするのが苦手。

多動性:じっと座っていられない、落ち着きがない。

衝動性:考えずに行動してしまう

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ADHDの社長は、創造性高く、興味に従い一芸に秀でてテーマを掘り下げられるので、違いのある商品·サービスが産まれやすく、人としても比較的本能に近い欲求に忠実で魅力的な人も多く、営業や採用の場面で人々を惹きつけます。

 

しかしながら、従業員5名以上になってくると、いよいよ多くの組織では、コミュニケーション不調で従業員が起こり、疲弊していきます。中小·ベンチャー企業では、どうしてもラインから外れて会長職につくわけにもいきません。従業員を前に、自分自身に加え、組織をコントロールできず失望するような精神的ダメージも抱えている社長も多いようです。良くない場合は、それが故に、従業員に当たってしまう負の連鎖が起きる場合もあります。

 

ADHDの社長がうまく経営するには、以下に注意しましょう。

 

①自分の特性を理解する:
ADHDの特性には、注意欠如、多動性、衝動性などがあります。これらの特性を理解し、自分の弱点と強みを把握することが大切です。幼少の時から自分のこの特性を気づいていない社長も多いようです。時間や約束を守れているか、自分のADHDの可能性を判断するポイントです。

 

②仕事の進め方を工夫する
ADHDの特性による影響で、仕事の進め方に困難を感じることがあるかもしれません。特に時間の厳守です。私がADHDのクライアント社長と決めた具体的な対応は、お金をかけても良いからスケジュール管理をする秘書を配置することでした。配置するだけではだめで、社長と秘書の間の関係性を「秘書の言うことに絶対的に従う」とルール定義し、遵守することに合意し、実行することが必須です。極端な話、大企業社長の秘書くらいまめな時間管理者をつけることで対処します。

 

ADHDの社長のアポイント予約の管理に余裕を持たせ、60分前に連絡、10分前に連絡、LINEや電話、スマホアラームを駆使して社長に注意喚起を促します。
 

「やりすぎでは?」と思うかもしれませんが、それくらい社長の時間管理は個人の課題ではなく、社内の上位トップ3に入る経営課題です。社長の遅刻は周囲の時間を奪いますし、客先で遅刻をやると致命的な信用信頼を損ねる結果を招きます。もっと問題は、それが1年も続くと社内の規律は緩み、指揮が下がり、信頼を傷つける出来事が積算し、人間関係に諦めムードが漂います。優秀人材であればあるほど、退社します。


③周囲の協力要請
社内全体に周囲の人に理解と協力を得ることも大切です。中には、周囲にこのような自分の特性を伝え、仕事の進め方やコミュニケーション方法もアイデアをもらうと良いです。カレンダーで時間確保の仕方、具体的な方法、会議の進め方、アラームの設定の仕方、取引先への同行、本当に沢山のアイデアが出てきます。

 

また、ADHD社長の多くは朝起きるのが苦手です。大抵、夜の間に夢中に仕事をしたり本を読んだり興味の対象があると没頭して気がつくと就寝が遅くなっています。朝起きれないのは夜の寝る時間がコントロールできていない、ということです。夜のアラームを3回ほど60前、30分前、10分前など小刻みに設定しましょう。

  

④マネジメント業をきっぱり預ける
どうしても、管理業務は得意ではありませんので、適任に預けましょう。本来、社長もわかっている話なのですが、「社長はいつまでもプレーヤーをしていてはいけない」という通説に引っ張られて、一生懸命預けようとされるのですが、預け方が違う。自分ができる部分を預けようとすればするほど、ADHD社長にとっては「なんでできないか?」を苛立ちになります。また。そもそも従業員達で運営できる組織の判断基準とルール設計(経営理念策定、行動指針策定、中期計画策定、人事評価制度設計、会議進め方、KPI設計運営、月次·週次報告)ができていないため、結局社長にお伺いを立てることになり、混乱を起こし、社長と従業員の間のストレスが益々増大します。この期間が1年以上長期化すると、「社長に言ってもしかたない」と諦めの社風が出来上がり、やる氣ある社員が退社していきます。
 

「社長はいつまでもプレーヤーをしてはいけない」という通説を一旦脇に置き、今一度、社長ではなく、自分の特性を生かせるポジションを明確にし、マネジメントの多くを社長の右腕に預ける考えでいるべきです。社長の任務をマネジメント業とそれ以外に二分するイメージで。例えば、ADHD社長は、経営理念の社内発信、会社の顔としての対外発信·採用、クリエイティブ業務、トップ営業に集中する、など。それ以外の社内のマネジメントは右腕に預けるべしです。
 

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