私のクライアントに、部門責任を負う大手企業幹部の方がいます。
職場での取り組みは部門外からも信頼されるほどのプロフェッショナル。
一方、できるからこそ上司や周囲の同僚の仕事への取り組み姿勢の至らなさが気になり、いつもイライラ感情を勃発していました。
カウンセリングもできる自己啓発熱心な方ですので、人の人格まで不用意に見てしまいイライラ倍増の様子でした。
会社の風土は、ののしり・どなり・責任のなすりつけがあったり、協調は程遠く、コンフリクトばかり。
そんな環境の中で、ご自身もつられて会議では上司には食ってかかり、議論での勝ち負けを考えていました。
非常に苦しい状態であるとはわかりつつ、上司の言動の一つ一つに対してリングに上がり、”ゴング”が鳴ってしまう状態でした。
「この状態を続けて、2年、3年続けていたら、どんな自分になっていそうですか?」
「思うだけでも辛すぎて、想像もしたくないです」
辛い現状を回避するのは、”自分のあり方を変えるしかない”というよくあるコーチングの前提は間違いではないのですが、やはり相手の姿勢も変えたいところ。
そこで、このようなクライアントにお伝えするのは、
会議で発言する冒頭に、
「もし、私が間違っていたら何でもすぐに訂正して下さい。私が考えるのは、・・・・・・」
と、入れてもらいました。
クライアントからも、
「びっくりしました、ピタッと止みました。何なんですかね?😊 おかげさまで気が楽になって本質的なことに集中できるようになりました。」
とのフィードバックでした。
使っていただくとわかりますが、
この言葉一つで、ボクシングで言うと両腕を上げたガード下に下ろす姿勢になります。
そうすると不思議にほとんどのケースで相手もガードを下ろします。
お互いニュートラルで良い状態で協議を進められます。
社長であろうが、従業員であろうがとても有効です。
ちなみに、この言葉は、私がドイツ赴任していた時の誰もが認めるドイツ人の社長が、とても謙虚な姿勢で言っていたんです。元々尊敬されている人間が、さらにこの言葉を発するものなので、周囲の姿勢がバサーっと整います。
”俺が俺が”の姿勢で会議に臨んでいる参加者が一瞬で馬鹿っぽく見えてきます。これを繰り返していると、自然とチーム全体の姿勢も整い始めます。
ぜひ、みなさんも使ってみてください。実は、家族でこそ一発で会話の姿勢を整えるとても有効なスペシャルワードですよ。😊
今週も、最高の一週間をお過ごしください!
たま
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