ずばり、この両者の根本的な違いは、

「物事を性悪説で見るか、性善説で見るか」の物の見方の違いです。

リーダーシップとは、

組織やチームの方向性(ビジョン)を定め、チームを導くこと。

つまり、今無い世界を作るために人々を引っ張って作ることです。

キーワードとしては、

導く(ラテン語のlædanが語源) 、

生み出す、

変化・挑戦、

何をやるか(What)、

効果視点、

リスクを取る。

マネジメントとは、

目標や目的の達成に向けて、組織に必要な要素を適切に分析・管理を行ない、集団活動の維持や促進を担うこと。

つまり、今有るものをなんとか調整・維持・管理すること。

キーワードとしては、

手(ラテン語manus が語源)、

何とかする(manage to 〜)、

保全・管理、

どうやるか(How)、

効率視点、

ルールを守る。

実はこの両者、そもそもの性善説 / or 性悪説の見方を変えないと、適時適切な行動・発信ができません。

性善説 or 性悪説:

人は元来サボると見るか、真面目にやると見るか。

リーダーシップを発揮するときは、チームや人々の可能性に訴えるメッセージ発信をします。

リーダーの中に「私たちはできる!」という前提が根底になければ、人々が立ち上がる適切な発信ができません。

未来・目的地を描くビジョンの設定は、なおさら性善説でなければ、

今までの延長線にあるような現状維持レベル+αのものしか作れません。

マネジメントは、人がサボることや何か運営がうまくいかないことを想定して、ルールで管理・監督してリスクを減らします。

根底に性悪説、悲観的な物の見方を持っていた方が、うまくマネジメントの役回りを担えます。

加えて、感情有り or 感情無しにも違いがあります。

感情は、良きも悪しきも人々の行動の源です。

リーダーシップは、チームと人々を成果目標達成に導くよう感情を非常に意識した行動・言動で鼓舞します。

必要に応じて個々人の価値観や目的にまで配慮します。

人々が何を求めているかを察知する、つまり、

自分自身の価値観にも敏感でなければなりません。(セルフリーダーシップ)

マネジメントは、組織が安泰に回るよう、

むしろ不安的な感情で振り回されないような仕組み・ルールを作ります。

本当の組織開発とは、この両方の見方をバランスよく持つことです。

仕組み・ルールは、「人はやらない」という前提で作る。

コミュニケーションは、「人はやる」という前提で行う。

長らく海外で仕事をしましたが、比較的、日本人はマネジメント視点(人の至らないこと、足らないリソースがよく見える)がお得意かと推察しています。

一度、「人はやる」で見てみてください。

自分の会社の中で、やって当たり前と思っていたものを一度見返してみてください。

そこで気づいたことを躊躇せず感謝を発すると、それがリーダーシップの第一歩になるでしょう。