先日お話しした社員10名の社長は、「1年前から急にからっきし採用ができなくなった。メディアや採用HPを新しくした方がよいと考えています」と仰いました。詳しく伺うと、「業界はかなりのニッチ市場で、将来性高く、コロナ影響は無関係、採用ができた分だけ成長できる」とのこと。

 

業界の問題でもない、景気の問題でもない。確かにHPは更新した方が良い。よくよく聞くと、「定着する人は長く定着する、辞める人は早めに辞める」、とのこと。なるほど、採用のゴールがずれていました。採用のゴールは従業員の3年間定着です。会社の実態と違うところで魅力を引き立てても、引き止めらられません。「期待と違いました」となる。

大事なのは、社長が理念を自信を持ってお伝えし、その理念を現実化する”組織の仕組み”、これをお伝えする必要があります。お伝えする前に、本質はその組織の仕組みを整えていること。バケツの穴(離職)を最小限にしていることが重要です。

例えば、「物心両面で社員に豊かになってもらう」というのであれば、そのための具体的な仕組みをお伝えする必要があります。先ほどの社長は、物心両面の豊かさ、と言いながら仕組みが中途半端でした。サービスマンに日給で支払っているから働く時間に応じて支払いをしています、豊かにしている、とのこと。

雇用をできていること自体、素晴らしいと思いますが、もう一押しです。この会社は、毎日のサービスした顧客のアンケートを取っているとのことでした。だったら、アンケートの結果に応じて、評価をし、日次でインセンティブを支払って、との話になりました。それを採用HPで載せて。具体的な仕組みに落とすことが大事です。

特にサービス業の会社は、サービススタッフの採用においては、ビジョンや5か年計画を語るのと同時に、「やったらやったぶんだけいただけるフェアな世界」が見えることが大事。経営理念は大事ですが、30名以下の会社のスタッフには、彼らが着火する仕組み作りが重要です。

採用では、このような組織の中の仕組みを説明すると、ぐっと説得力が増します。