「会社の中でよくできる海外で働いている社員」というニュアンスの人が「グローバルリーダー」と思われているのであれば、それは求める基準が低い。今必要とされている目の前のことをできればある程度OK、というような基準の会社が多い。それは、海外赴任者だけではなく、会社全体のグローバルに活躍する日本人に対するイメージのスケールが小さい。

先日も誰でも知っている超大手の海外事業責任者の取締役が、「海外は結構売上が上がっているから順調で、数字という意味ではあまり問題はない」と言っていました。一方、海外駐在員の実態を人事部経由で確認すると、海外赴任者は外国人を動かせていないことを報告していました。この会社はまだ良い方で、人事部がそうやって現場からの正直に自分が人間関係でうまくいっていないことを聞きつけていました。一言でいうと、基準が低いと言わざるを得ません。そして、人材がどんな仕事振りかは見えていませんでした。実は、海外エグゼキュティブのコーチをさせていただく中で、このように本社が海外赴任者を見えていない会社、海外人材・組織に求める基準が低い会社が多く、まだまだやれることが沢山あると痛感しています。

 グローバル化の最終段階は、グローバルに人・物・金が全体最適で配置されている状態、つまり、グループ全体で一つの会社として機能している状態、つまり何人(なにじん)かは問わず、グローバルにやっていける人がリードしていく世界に入っていくことです。一般的な会社では、上述の会社のように海外駐在員から人事部に、そのような報告は少なく、本社海外事業責任者のもとには、事業の話、なかでもポジティブな事業話か本社へのクレームが主な報告になります。彼ら海外赴任者は、自分が現地で機能していないことがあっても、口が裂けてもそれを言いません。ここが、海外責任者、海外駐在員、人事部の三者の間にポテンヒットのように落ちる海外展開を遅らせる潜在課題があります。70年代、80年代と世界を席巻した日本の海外進出の勢いは、どこにいったのでしょうか?昔はもっと英語は喋れなかったろうし、海外展開の土壌もよくなかったと思います。

 あなたの「世界で活躍するリーダー」の定義は、会社の看板を使って外国人に指示を出している人ですか?サッカー日本代表長谷部選手のように、自分の軸を持って、一個人として海外現地で信頼を得ながら、どんな外国人にも臆せず、組織を引っ張るリーダーですか?僕は後者の日本人を沢山見たい、何より、筆者自身もそんな人間であり続けたい。

タマモト

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