社長という仕事は、言いたくないことを言わなければならない仕事です。

「私だって、言いたくないのよ!」、心の声が喉元まで出掛かっています。

 

社長であればそれを我慢するしかないでしょうか?

社長も良いステート(感情状態)で仕事をしたいし、その方がパフォーマンスも高くなります。

社長にお伝えするのは、ルールに代弁させることです。そのためには、前提として、マネジメントとリーダーシップの両者の根本的な違いを理解する必要があります。

リーダーシップとは、組織やチームの方向性を定め、チームを導くこと。つまり、人々を引っ張って今無い世界を創ることです。人を介して、無から有を作る力。

 

マネジメントとは、組織に必要な資源を適切に管理し、集団活動の維持や促進を担うこと。つまり、今有るものをなんとか効率的に維持すること。

 

実はこの両者、そもそも世界の見方が全く違います。リーダーシップは性善説、マネジメント は性悪説の見方をするのが適切です。例えば、人は真面目に仕事に従事するものと見るか、人は元来サボるものと人を見るか、の大きな違いです。

リーダーシップを発揮するときの多くは、チームや人々の可能性を信じて「人の可能性は無限」という性善説、楽観的な物の見方を前提に前向きな働きかけをします。ステートを非常に意識した行動·言動で人々を奮い立たせます。

マネジメントは、人がサボることや運営がうまくいかないことを前提で、ルールを決めて管理·監督してリスクを減らします。根底に性悪説、悲観的な物の見方を持っていた方が、うまくマネジメントの役回りを担えます。組織が安泰に回るよう、むしろ人々のステートに振り回されないような仕組み·ルールを作ります。

経営者は、この両方の見方を場面場面でギアチェンジしています。よって、片方の視点のみで経営するのはNGです。もし、一人の経営者でそれが不得意なのであれば、自分の逆を得意とする右腕を配置しなければなりません。

もとい、「ルールに代弁させる」つまり「ルール·規定を作ること」は、不用意な指導·物言いで社長と従業員双方のステートを崩さないためにも、大事なことです。

ドイツ·ベルギーで9年社長の右腕をしましたが、欧米はルール化が上手でした。多様性があるがゆえ、ルールが必要な土壌にあること、また逆に「ルールで規定されていないことは、倫理に反してない限り、しても良い」という前提があります。日本は、暗黙常識の領域が大きいので、ことが起きてからステートを崩しながら不用意な指導·物言いがなされやすいです。

ステートの良い会社を作りましょう。