感情状態を最優先にする生き方、「ステートファースト®️」を日本の皆さんと実践していきたいと思っています。感情を最優先するというのは、何があっても幸せな感情でいるということ。厳密には、そうあると決めるすることです。これは、大げさに聞こえるかもしれませんが、人生最大の覚悟です。自分の日々の生活の優先順位の一番に置き、「幸せな感情」をピン留めするのです。

よく「忍耐」「我慢」という言葉を使います。私は昔は「忍耐」「我慢」が私の最上級の価値観で、目標至上主義で目標達成のためであればしんどくてもいい、忍耐がある人間、我慢ができる人間が勝つんだ、と。今の私が明確にお伝えしたいのは、それは違う、ということです。

もし、「忍耐」という言葉を使うのであれば、「私は幸せです」ということをずっと信じている状態を作ることに「忍耐」が必要だと思ってもらうとよいのではないでしょうか。人生の目標や成果を達成するために、忍耐が必要だ、というのではありません。「私は幸せです」といい続けられるように、主体的に環境を整え、思い込みを書き換えるのです。そのために、「今、自分の感情がどこにあるか」を常に認識するのです。幸せかどうかはその方の主観ですので、常に自分の人生に対して主体的に生きる必要があります。外界の情報から一切影響を受けない状態にあり続ける生き方です。本当に極端な言い方をすると、本書で説明するステートファースト®️は、この「私は幸せです」というマインドで毎日を過ごせれば良いのです。

私のクライアントは、成果・目標を達成しているものの、しんどそうにしている方が多いです。人生がうまく行っていない方のほぼ全てが、どこかで無意識に何か自分以外の外界のせい、もしくは自分の過去の出来事のせいにしています。本当に優秀な経営者でも人生のブレーキ、思い込みがあります。それは、例外なく私にもありますし、私自身も日々ステートファースト®️の実践に努めています。

「そんなもん、億万長者になったら勝手に幸せになってるわ」、「そんなふわふわしてるから幸せにならへんねん!」、自分に厳しい方々からそんな声が聞こえます。

以前の私であれば、間違いなくそう思っていました。ですが、、これは明確に間違いだと言えます。大原則、「幸せである」ということは、その人の主観なのです。目の前で起こる出来事をどう意味づけするか、だけのことでした。因果で言えば、感情が「因」、結果や出来事が「果」、という考え方です。感情状態が結果をもたらすという世界です。苦しい状態に入っては、良い結果が得られない。

私も何度か目標は達成してきましたが、何か自分の足らないものを埋め合わせるかのように、自分に自分を証明するかのように目標を達成しても、何か満たされません。目標を達成して喜ぶは束の間、次の目標を立てる。次の目標を立てることは、とても素晴らしいことです。しかしながら、このプロセスでは、その目標達成の道中は苦しみがいつも伴います。むしろ苦しい方が目標に向かって進んでいる感があり、安心するくらいです。

「欠乏感」から夢や目標を達成してはその苦しいスパイラルに入ってしまう。感情を置き去りにした目標達成の仕方では、苦しい感情状態が人生のデフォルトになりかねません。少なくとも、うまく行っている時は、100歩ゆずってそれでいいかもしれません。ですが、本当にストレッチした目標の達成や、厳しい局面を乗り切る場合は、自分の許容範囲を超えたストレスがかかり限界を超えてしまいます。

まさに私も、自分のキャパを超える仕事が与えられたことによって、いよいよ40歳近くになって苦しい感情状態と目標達成を紐づけた目標達成の限界を思い知らされました。今思うと、このような苦しい目標達成のやり方に振り切ってやり切れたことで、そこに求める成功がないことがわかりました。それが良かったのかもしれません。

「私は幸せです」、日々この感情を手放した目標達成や人生を組み立てるのは、もうやめましょう。特に昔の私と同じく目の前の目標達成に邁進して、状態が落ちてもなお前に進むことができるビジネスパーソンにお伝えしたいことです。