今、「型」を見直しています。

辞書によると、「型」の意味は「その典型的な様子を持っていること。その類型に属すること。タイプ。」

様子や状態のことです。

特に私が見直すのが、行動や習慣の「型」。

 
きっかけは倫理法人会という、その名の通り「倫理」を学ぶ場において、非常に「型」を重んじられている様を見たことがきっかけです。

 

・挨拶の仕方

・お辞儀のタイミング/角度

・声がけの仕方

・時間配分

・お茶を出すタイミング

・役割分担

・教本の読み方や読む姿勢

 

言い出すと切りがないほど沢山の「型」があります。

 

意味のあるのかないのかわからないような「型」が重視されている大人のコミュニティはほぼ見当たらない。

ひょっとすると、小・中学校以来の問答無用の「型」のオンパレードです。

  

今、経営者という自身に責任を負うものの、自由裁量の世界に生きていると、この「型」が非常に大切であることを痛感します。人は自由を求めながら、実は「型」を欲しているのではないでしょうか。

 

なぜ欲しているのか、「型」に従うメリットは3つあります。

 

①今に集中できる

自分を「型」にはめることで、無駄に「意味」を考えるのではなく、とにかく目の前の今に集中することができる。そのためストレスも軽減する。

逆に言えば、集中するためのコツは、とにかく「型」に身を委ね、環境の一部始終に「意味」を考えないこと。

 

「型」に身を委ねる前の注意は、その「型」に伝統があること。

たかが我々の人生は70-80年。

「伝統」の力は人々の一生の長さを超えて発展しています。

その「伝統」を軽んずべからず。

伝統には、何がしかの良いものが詰まっているからこそ世代を超えて受け継がれているものです。

 

②旧来の思考を壊せる

大人になると、沢山の経験をもとに固定観念が益々強固になります。

身を危険から守る場合はその固定観念が効果を発揮するのですが、いざ、新しい進化をする際には、足枷になる。

現状は、過去の自分自身の思考をもとに行動した結果である。

今までの思考を変えずに延長線上の行動をしているだけでは同じ結果がもたらされるだけである。

大きく成長したい場合は、思考を変えなければならない。

長年かけてこびりついた固定観念を変えるために、「型」に倣って行動してみて新しい気づきを得て、初めて新しい思考になる。ある程度の矯強制力が必要です。

③習慣を変えることができる

「型」のある場所には、必ず人・仲間がいる。

学校、スポーツチーム、コミュニティ、宗教団体、会社等々が良い例でしょう。

「型」を習得するときは、必ず伝承者が教えてくれる。

自分一人で変えにくい自分の生活習慣・思考の癖を、集団が共に変えてくれる機会が多々ある。

「型」のある場所 = 人のいる場所、です。

  

 私は海外で9年生活をしましたが、特に日本の強みはこの「型」にあると考えています。当たり前のように小中学校では規律を重んじる文化で育ちます。運動会・音楽祭のようにみんなが同じ活動を規律正しく行う、予行練習も入念に行う。

海外にはこのような集団で「型」を重んじる中で学ぶ文化ではなく、個々人が「思考」してその「思考」をぶつけ合う中で学ぶ文化がある。

 

茶道、書道、武道、礼法、どんなものでも良いですが、日本の伝統文化の中で培った「型」を積極的に取り込んでみてはいかがでしょうか。沢山の生活のみならずビジネスのヒントがあります。